いよいよ、本題に入る。復刻時計に対する解釈はブランドによって見解が分かれるところだが、「リマスター01 オーデマ ピゲ クロノグラフ」が異彩を放つ理由は、現代的なバランス感覚を忘れずに、Ref.1533が持つコンビカラーなどの洗練されたデザインコードを継承している点にある。
ステンレス×ピンクゴールドの組み合わせはエレガントで落ち着きがある。カーフスキンストラップのほか、ブラウンのアリゲーターストラップを付属する。
視認性の向上を目的にクロノグラフカウンターを改良した文字盤、ティアドロップ型のラグ、18Kピンクゴールドのベゼルとリュウズ、プッシュボタンなどが、それに該当する。
45分まで計測できる9時位置の積算計をはじめ、文字盤には細かな改良が加わっている。
手巻き式のクロノグラフであったオリジナルとのいちばんの違いは、全体を4mmほど拡大したケースデザインと、1943年当時では実現不可能だった自動巻きムーブメントの採用にある。
ケースバックから鑑賞できる22Kピンクゴールドのローターは、マスタリングの証だと言える。
クル・ド・パリ装飾を施したピンクゴールドのローターを採用した自動巻きムーブメントCal.4409。
ブティック限定555本という稀少性もまた魅力。次回作も俄然気になる注目のプロジェクトの始まりは、世界中の時計好きにとって福音以外の何物でもない。